子なし夫婦の生活費の目安ってどれくらいなんだろう?
総務省の家計調査をもとに考えてみよう
このブログ記事にたどり着いて頂きありがとうございます。
「途次大志の備忘録」の執筆者でどちらかというと節約志向の途次大志(toji-taishi)です。
この記事では「子どもがいない夫婦の老後を見据えた生活費」について考えていきます。
老後も含めて考えるといったい子なし夫婦の生活費はどれくらいを目安とすれば良いのでしょう。
- 平均世帯の生活費と内訳を参考
- 50代と70代の生活費と内訳を参考
- 子なし夫婦の生活費の目安は25万円/月
以前の記事でご紹介した子なし夫婦のメリットとデメリットをもとにした「ご縁(えん)育て」という考え方で子なし夫婦を楽しんでいければと思っています。
子どもがいないことをネガティブに捉えずに子なし夫婦だからこその人生を楽しむためにも生活費やお金のことも夫婦でしっかりと話し合っておきたいものですね。
平均世帯の生活費の目安
生活費や家計に関する情報は子どもがいる夫婦または世帯が中心に紹介されています。
少数派である子なし夫婦はそれらのデータをもとに類推して考えていく必要がどうしても生じてしまいます。
平均の生活費
総務省の家計調査によると1ヶ月の平均的な生活費は283,027円(2017年)です。
二人以上の世帯であり、世帯の人数は2.98人で「3人家族の1ヶ月の生活費」と捉えれば良いでしょう。
283,027円
参考:総務省「家計調査年報2017」
2017年の平均的な生活費だけでなく念のためそれ以前の推移も確認していきましょう。
生活費の推移
2008年から2017年のデータを見てもの平均的な生活費の推移には大きな差がないように思います。
平均世帯人員2.98人の1ヶ月の平均生活費
- 2008年:296,932円
- 2011年:282,966円
- 2013年:290,454円
- 2015年:287,373円
- 2017年:283,027円
参考:総務省「家計調査年報2017」
この記事では2017年の平均的な生活費283,027円をもとに考えていきましょう。
子なし夫婦の場合を類推すると、単純計算だと2/3(夫婦二人分)を掛けた188,685円という数字が出てきます。
ただこの2/3を掛けただけの数字だとあまりに単純すぎるので、内訳などその他のデータも参考に子なし夫婦の生活費の目安を探っていくことにします。
生活費の内訳
2017年の平均的な生活費283,027円の内訳を見ていきます。
- 食料:72,866円
- その他:59,120円
- 自動車・通信:39,691円
- 娯楽:27,958円
- 水道光熱:21,535円
参考:総務省「家計調査年報2017」
「食料」つまり生活費の内訳の中で食費がトップであるようです。
この「食料」の中には外食も含まれています。
続いて「その他」には、諸雑費、交際費、仕送り、使途不明の項目が含まれています。
「その他」という割に内訳の中で2番目に大きい金額なのが不思議ですね。
三番目に大きい「自動車・通信」には交通、自動車、通信の項目が含まれています。
自動車の購入、維持費は生活費の内訳でやはり大きな割合を占めるこようです。
意外なところでは住宅費(家賃、地代、設備、修繕、維持)の「住居(16,555円)」の数字が大きくない点でしょう。
これらの数字は年代すべての平均値なので子なし夫婦の生活費の目安を類推するためにも別の角度でデータを追うことにします。
老後を含めた子なし夫婦の生活費の目安
子なし夫婦の生活費を考える上で「子育てが完全に終わった年代」の生活費やその内訳が参考になるように思います。
年代別の生活費
同じ総務省の家計調査(2017年)に世帯主の年代別の平均的な生活費を調べてみました。
平均:283,027円
- 40才未満:256,160円
- 40代:315,189円
- 50代:343,844円
- 60代:290,084円
- 70代以上:234,628円
参考:総務省「家計調査年報2017」
40代、50代、60代では先ほどご紹介した2017年の全世代の平均的な生活費の283,027円を超えているのが見て取れます。
とくに50代の生活費は343,844円と大きく平均を上回っています。
一方で、子育てが完全に終わったであろう70代以上の生活費は234,628円と全世代で一番小さい数字となっています。
最大である50代と最小である70代以上の生活費の内訳を調べることで子なし夫婦の生活費の目安がつかめるかもしれません。
養育費
「50代」と「70代以上」の生活費の内訳を比較していきます。
50代
- 食費:78,052円
- 教育費:24,428円
- 仕送り:18,542円
70代以上
- 食費:68,065円
- 教育費:360円
- 仕送り:1,447円
参考:総務省「家計調査年報2017」
1ヶ月の「食料」(食費)は1万円程度で大きく差があるようには感じません。
世帯主が50代ということは食べ盛りの子どもが1人または2人いることを推測するともっと差が大きくなっても良さそうな気がします。
70代以上の夫婦に比べ、50代の夫婦にとって「教育」と「仕送り」に予想通りお金が掛かっています。
子なし夫婦にはこの「教育」と「仕送り」にお金が掛からない点は70代以上の夫婦と似ているように思います。
医療費
70代以上だと50代の世帯に比べ医療費が多く掛かるのでしょうか?
50代
- 住居:16,793円
- 水道光熱:23,070円
- 医療:11,997円
70代以上
- 住居:14,115円
- 水道光熱:21,191円
- 医療:14,850円
参考:総務省「家計調査年報2017」
データを見ると確かに70代以上の方が50代と比べて多いですが、それほど大きな差はないようです。
データだけで考えると50代よりもお金が掛からなくなった「住居」と「水道光熱」の合計金額で70代以上で増えた医療費が補てんできるように思えます。
子なし夫婦の目安
改めて子育てに必要な「教育」や「仕送り」などの養育費にお金が掛かることを確認できました。
また50代と70代以上の世帯の生活費を比較することで、子どもがいないことで「食料」「住居」「水道光熱」が下がるとはいえ、さほど大きな差でないことが類推できます。
子なし夫婦の生活費の目安:25万円/月
(算出材料)
- 全世代の平均生活費:283,027円
- 全世代の平均生活費の2/3:188,685円
- 70代以上の生活費:234,628円
これらの数字をもとに考えると全世代の平均的な生活費の2/3である188,685円はあまりに単純な計算のように感じます。
子どもがいない夫婦はきっと70代以上の生活費に近いのだろうという類推から、切りの良いところで子なし夫婦の生活費は25万円が目安とできるのかもしれません。
また70代以上の医療費が50代と比べて大きな差ではなかったことから老後の子なし夫婦の生活費も大きな変化はないという類推できます。
まとめ
総務省のデータをもとに「子なし夫婦の生活費を25万円/月」と類推してみました。
当然ながら今回類推した数字はあくまでも目安です。
同じ子どもがいない子なし夫婦でも夫婦によって価値観は異なります。
その他:59,120円
- 諸雑費:23,492円
- 交際費:20,998円
- 仕送り:5,637円
- 使途不明金:8,992円
交通・自動車・通信:39,691円
- 交通:5,359円
- 自動車:21,062円
- 通信:13,270円
参考:総務省「家計調査年報2017」
たとえば全世代の生活費の内訳で「食料(食費)」に次いで2番目に多い「その他」の項目(諸雑費、交際費、仕送り、使途不明)は夫婦の価値観によって大きく上下するでしょう。
また内訳の3番目の「自動車・通信」も自動車を所有するかどうかで年単位で考えると生活費も大きく変わるでしょう。
20年以上の子なし夫婦である私たちも「夫婦の価値観」をしっかりと話し合って、子なし夫婦ならではの「ご縁育て」をしていきたいと思っています。
参考文献
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。これからも良質な情報をお届けできるよう精進いたします。今後とも「途次大志の備忘録」をお引き立ての程、よろしくお願い致します。 途次大志