子どもがいない夫婦だからこそ感じる「老後への不安」ってあるよね
子なし夫婦だからこその「不安の正体」と「解消への考え方」を紹介していくよ
このブログ記事にたどり着いて頂きありがとうございます。「途次大志の備忘録」の執筆者で40代の子なし夫婦の途次大志(toji-taishi)です。20歳の成人式から20年以上が過ぎた私たち夫婦にも子どもがいませんが、だからこそ夫婦でよく話し合いながら老後に向けて動き始めています。
- 子なし夫婦のメリットを理解する
- 時間を掛けて子なし夫婦を受け入れる
- 将来のことを夫婦で考え実践する
40代子なし夫婦の「老後の不安」
我々のような子なし夫婦にとって、子どもがいる夫婦とは異なる「老後への不安」というものがあるものです。たとえば、実のおじいちゃん、おばあちゃんとして孫と接することは残念ながら叶いません。その代わりとして「子なし夫婦だからこその幸せ」を見出して人生を歩んでいきたいなと思っています。
経済面で有利なはず!?
この「途次大志の備忘録」の以前の記事として、子なし夫婦だからこその「4つのメリット」を整理するとともに、そのメリットを夫婦として強く意識するために、公的なデータをもとに具体的な数値として紹介してきました。
- 経済面
- 時間面
- 肉体面
- 精神面
子どもの教育費だけを考えた場合でも、子どもがいる夫婦に比べ、子なし夫婦は少なく見積もったとしても2,000万円以上の「経済面でのメリット」があると考えることができます。
心の穴の正体!?
子なし夫婦のメリットを整理し、強く意識することができたとはいえ、私たち夫婦のように子どもが欲しくてもできなかった夫婦にとっては、子どもがいないことで生じる「ぽっかりと心の中に開いた穴」というような感情を消し去ることはそう簡単なことではありません。ただ、だからと言って、この空虚感に押しつぶされていても、何も打開できないのでいろいろと考えて行動していこうと思っています。これまた以前の「途次大志の備忘録」の記事でもご紹介しましたが、国立社会保障・人口問題研究所の調査で「夫婦が子どもを持つ理由」を夫婦の妻に調査した結果があります。
ご紹介した記事「【子なし夫婦のブログ記事】メリットを活かして幸せに暮らそう!」でもご紹介した通り、夫婦が子どもを持つ理由、言い換えれば子どもから得られる恩恵のようなものは、下記のようなものがあると考えることができます。
- 豊かさ:子どもがいると生活が楽しく豊かになる
- 社会貢献:子どもは将来の社会の支えとなるから
- カスガイ:子どもは夫婦関係を安定させるから
- 老後:子どもは老後の支えになるから
- 承認欲求:子どもを持つことで周囲から認められるから
他人の子どもではなく、我が子を通じて、これらのことが感じられるとしたら子なし夫婦としては正直うらやましい限りですね。「夫婦が子どもを持つ理由」として一番多く挙げられた「豊かさ」について妻の年齢別の結果を確認してみます。
対象となる25歳から49歳の夫婦の妻において、子どもをもつことで「生活が楽しく豊かになる」と年代を問わず7割以上の人が考えているようです。そうですよね。子どもがいることで経済面など負担も多いでしょうが、我が子と過ごすことで楽しく豊かな生活になりそうなのは容易に想像できます。これこそが、子なし夫婦が感じる心の穴の正体の大部分のように思います。
素直にうらやましいですが、不妊治療を経ても子どもを授かることができなかった私たちのような夫婦にとっては、こればかりは「どうしようもない」というのが現実です。子なし夫婦にとってはつらいことかもしれませんが、心の穴の正体を文字として見える形で再認識することで未来への対応方法が見つかるように思います。
老後の精神的支え
子なし夫婦の「心の穴の大部分の正体」を明確化した上で、老後へと視点を変えていきましょう。同じ国立社会保障・人口問題研究所の「夫婦が子どもを持つ理由」の調査結果で「老後」、つまり「子どもは老後の支えになるから」という理由を支持した妻の年齢別の結果を見ていきましょう。
先ほどの「夫婦が子どもを持つ理由」として、7割以上が支持された「豊かさ」よりも数値としては少ないものの、夫婦の妻にとって子どもの存在が「老後の支え」に感じていることが多少なりともあることがわかります。程度の問題はあるにせよ、子どもが自分たちの老後に何かしらの「支え」になると、どこかで期待してしまうものでしょう。妻の年齢が重なるにつれて、子どもへの「老後の支え」の期待は減少傾向ではとはいえ、子どもがいることで、どんな夫婦にも訪れる老後への精神的な支えとして期待を持つことができることは、やはり子なし夫婦にとってはうらやましく思いますね。
子なし夫婦の「老後の不安」解消に今からやるべきこと
子どもがいることで、生活の楽しさや豊かさが期待でき、さらに「老後の支え」が期待できると考える人がある一定数は存在することを改めて数値として理解できました。「ぽっかりと心の中に開いた穴」を子なし夫婦は抱えながら、「老後の支え」もなく、それでも生きている限り、いずれ訪れる老後を過ごすことになります。さてはて、子なし夫婦が抱える「老後の不安」を少しでも軽減するために、どのように考え、今からどうしていけば良いのでしょうか。ここで将来に悲観的になって立ち止まることなく、子なし夫婦だからこその「老後の不安」の解消への考えを進めていきましょう。
子なし夫婦のメリットを再認識する
老後に備えて子なし夫婦だからこそのメリットを活かすことこそが、「老後の不安」解消への突破口になるかもしれません。
- 経済面
- 時間面
- 肉体面
- 精神面
40代であれば、まだ少し老後までは時間があります。今から準備し始めればまだ間に合いそうです。老後を迎えた時に、子なし夫婦だからこその「4つのメリット」の中でぼぼ確実に減少しているものは「肉体面」でしょう。老眼もさらに進むでしょう、筋力も落ちるでしょう、腰や膝も今ほどに丈夫に動いてくれないかもしれません。子どもを持つ夫婦に比べ育児に関わる肉体的な負担がない今だからこそ準備を進めていきたいものです。子なし夫婦の「4つのメリット」も老後はどうなっているかわかりませんよね。老後になってしまってからでは、もしかしたら経済面も今よりも減少しているかもしれませんし、肉体面の減少により精神面も減少しているかもしれません。子なし夫婦の「4つのメリット」が十分に活かせるうちに取り組み始めた方が良さそうなことを、はっきりと理解できるのではないでしょうか。
心の穴を埋めていく
子育ての負担が少ない子なし夫婦だからこそ、なるべく早い段階から老後へ向けた準備を開始した方が良さそうだということを理解したとしても、どういう方向性で進めていけば良いのでしょう。その指針となりそうなキーワードのひとつが「社会貢献」なのかもしれません。先程からの国立社会保障・人口問題研究所の「夫婦が子どもを持つ理由」の調査結果で、「将来の社会の支えとなるから」と考えている人が、40代では2割程度存在しているデータが参考になります。
「夫婦が子どもを持つ理由」として「子どもは将来の社会の支えになる」と考える妻が、ある程度の支持を集めている結果からは何を読み取ることができるでしょうか。この結果は、捉え方を変え、逆説的に考えれば、子どもがいないことで「子なし夫婦は社会貢献の一翼を果たしていない」という想いに迫られる妻が年齢を重ねるごとに増加するのではないか?と考えることもできます。子なし夫婦であることを必要以上にネガティブに捉えてしまう必要はないと考えていますが、一瞬でもこうしたネガティブな気持ちが頭によぎってしまう気持ちは、私たち子なし夫婦としても大いに理解できるところです。特に母体として赤ちゃんを授かる女性にとっては、「子どもを持たないことで社会貢献が果たせていない」と自分を責めてしまう可能性が男性よりも多いのかもしれません。また、その自責の念に似た感情は「承認欲求」つまり「子どもを持つことで周囲から認められる」ということにも、何らかの関係性があるように思えてきます。
子なし夫婦の「4つのメリット」を活かして「社会貢献」につながり、同時に、子なし夫婦としての存在価値のようなものを周りからも認めてもらえていると感じることができる状態へ向かうことが、目指すべき姿のひとつだと考えることもできるでしょう。このことで子なし夫婦の「ぽっかりと心の中に開いた穴」を埋めることでできそうにも思えてきます。
夫婦で考え実践する
同じ国立社会保障・人口問題研究所の調査で、「子どもを持つ理由」として「子どもは夫婦関係を安定させる」という側面があることを夫婦の妻が期待していることもうかがえます。
これは「子は鎹(かすがい)」の言葉が示すところに近いでしょう。子どもがいない夫婦は、子どもという「鎹(かすがい)」がなくても夫婦関係を安定化させていくためにも、子ども以外から「豊かさ」を感じ「社会貢献」になることを実践して「承認欲求」を満たしながら「老後」を迎えることができれば、つまりは子どもを持つ夫婦と似た状態へと夫婦を高めていくことができるということなのかもしれません。それぞれの夫婦だからこその個性を活かして、夫婦の価値観に従って老後への備えを40代から始めること自体が夫婦の安定化にもつながっていくように思います。
まとめ
もし私たちのように子どもを授かることがなく、デメリットばかりに目を向けてしまうことがあれば、子なし夫婦であることの少なくとも「4つのメリット」があることを再認識してみました。子なし夫婦のメリットを持ちながら、それでも「ぽっかりと心の中に開いた穴」の正体を公的なデータをもとに探っていきました。
子どもがいないということは、子どもという実体が存在しないというだけでなく、子どもから得られるであろう「楽しさや豊かさ」「老後の支え」「社会貢献への自負」「夫婦関係の安定化」などの恩恵とも言えるものが期待できないということなのかもしれません。もし、これらが子なし夫婦の「ぽっかりと心の中に開いた穴」の正体だとすれば、それらを埋めていく手段も見つけやすくなるかもしれません。
子どもを授からないという現実は、夫婦にとって受け入れることが容易ではないものですが、それでも時間を掛けてでも、自分たちのペースで将来のことを考えて実践していくことで、もしかしたら子どもがいる夫婦では得られない「子なし夫婦だからこそ」の喜びが見つかるように思えてなりません。40代の夫婦であれば、老後までまだ時間はあるでしょう。私たち子なし夫婦も、肉体的にピークを過ぎたとはいえ「老後の不安」を軽減するためにも、「子育て」ならぬ「ご縁育て(ごえんそだて)」という合言葉をもとに取り組み始めています。
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。これからも良質な情報をお届けできるよう精進いたします。今後とも「途次大志の備忘録」をお引き立ての程、よろしくお願い致します。 途次大志