子なし夫婦が幸せに生きていくためにはどうすれば良いんだろう?
データを見ていくと子なし夫婦の男性はもっと頑張らなきゃって思うよね
このブログ記事にたどり着いて頂きありがとうございます。
「途次大志の備忘録」の執筆者でデータを眺めるのが好きな途次大志(toji-taishi)です。
私たち夫婦も結婚して20年以上が過ぎましたが、子どもにはついぞ恵まれることはありませんでした。
子どもが欲しいと思っていただけに残念なことですが、夫婦二人で「前向きに人生を歩んでいきたい!」と思っています。
公的なデータを眺めていると、子なし夫婦が幸せに暮らしていくための方法が見えてくるように思います。
- データ的に多い「一男一女」が理想のカタチ
- 妻の年齢とともに「夫の子が欲しい」は減少
- 子なし夫婦の幸せのカギは「男性!?」かも
子なし夫婦を含めた家族の理想形
子なし夫婦を含めた夫婦にとって、どんな家族が理想形なのかをデータから見ていきましょう。
さらに家族の理想形が生まれる背景を知ると、子なし夫婦という子どもがいない家族が幸せになるためのヒントが見えてきそうです。
子どもを望む夫婦
私たちと同じような「子なし夫婦」の割合が増えてきていること、さらに子どもをもたないことを理想とする夫婦が増えてきていることを、以前、この「途次大志の備忘録」のブログ記事としてご紹介しました。
国立社会保障・人口問題研究所が発表している「出生動向基本調査」の公的なデータを参考にした「子なし夫婦の割合が増加」でも触れている通り、結婚した8割を超える夫婦が「2人以上の子ども」を欲しいと考えているようです。
子どもの数に関わらず「1人以上の子どもを欲しい」と考える夫婦を含めると9割以上の夫婦が子どもを欲しいと望んでいることになります。
理想の子どもの数
1977年から2015年の国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」のデータを見ると、理想とする子どもの数が「2人」または「3人以上」とする夫婦の割合が高いことがわかります。
このデータは、50歳未満の有配偶女性を対象者とした調査結果です。
理想とする子どもの数が「2人」と「3人以上」の合計が年度を問わず9割前後を占めています。
結婚して子どもを持つなら「2人以上」と考える夫婦の価値感が、今も昔もあまり変わりはないと言えるでしょう。
もう少し詳しく見てみると、理想とする子どもの数を「3人以上」とする夫婦の割合と「2人」とする夫婦の割合が2015年に逆転していることがわかります。
夫婦にとって、理想とする子どもの数は「3人以上」から「2人」へと価値観が変わっている傾向にあるのかもしれません。
夫婦の価値観というのは、時代とともに「変わらないもの」がある一方で、「変わるもの」があるということなのでしょうね。
【1977年】
「3人以上含む2人以上」の合計:91.9%
「2人」41.5%<50.4%「3人以上」
【1987年】
「3人以上含む2人以上」の合計:94.0%
「2人」36.5%<57.5%「3人以上」
【1997年】
「3人以上含む2人以上」の合計:91.2%
「2人」41.9%<49.3%「3人以上」
【2005年】
「3人以上含む2人以上」の合計:89.5%
「2人」43.4%<46.1%「3人以上」
【2015年】
「3人以上含む2人以上」の合計:87.6%
「2人」51.3%>36.6%「3人以上」
より具体的な家族の理想の形
理想の子どもを「2人」とする夫婦は、男児と女児の「どのような組み合わせ」を理想として考えているのでしょう。
上記のグラフの通り、2015年の「第15回出生動向基本調査」の調査結果を見てみると、「男児1人女児1人」を希望する夫婦の割合が圧倒的に多いことがわかります。
ちなみに私たち「子なし夫婦」はおぼろげながら「女児2人」を夢描いていたので、これほど「男児1人女児1人」が圧倒的に望まれていることにビックリしました。
この調査では、男児と女児の「どちらが先でどちらが後か」というこということまでは触れられていませんが、昔からよく言われてきた「一姫二太郎」という言葉が思い浮かんできそうです。
なお同じ国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」の別の調査結果で、理想の子どもの数を2人ではなく「3人」の場合であっても、「男児だけ」「女児だけ」に比べ、「男児女児混合」が圧倒的に多いことが示されています。
これらの結果から、結婚した多くの夫婦の家族の理想形が「男児と女児の子どもを持つ」という状態であることがうかがえます。
「家族に子どもがいる」ことが理想であるという社会の認知を、改めてデータから実感することができるのではないでしょうか。
多くの人にとって共通の理想である「子どもがいる家族」を成し得ない子なし夫婦が「幸せを感じにくい」としたら、それは「やむを得ない」ことだと一種の割り切りや覚悟を持つためにもデータは役立つように思います。
男児2人:1.5%
男児1人女児1人:90.9%
女児2人:7.6%
幸せな子なし夫婦になるために
今も昔も多くの夫婦が「子どもがいる家族」を理想のカタチと考えている社会の中で、子どもを授からない夫婦はどうしたら幸福感を得ることができるのでしょう。
「子どもがいる家族」を多くの夫婦が「なぜ理想とするのか?」を考えていくと、子なし夫婦を幸せに導くヒントにめぐり会えるのかもしれません。
つまり多くの夫婦または未婚の男女が「子どもを持ちたい理由」を探っていけば良さそうです。
結婚前の子どもを持ちたい理由
引き続き国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」のデータを見ていきます。
まだ結婚をしていない「未婚の女性と男性」を対象にした「子どもを持ちたい理由」に関して調査した結果をご紹介します。
- 豊かになる:子どもがいると生活が楽しく豊かになるから
- 自然なこと:結婚して子どもを持つことは自然なことだから
- 好きな人の子:好きな人の子どもを持ちたいから
この調査では子どもを持ちたい理由の他の選択肢として「子どもは将来の社会の支えとなるから」「子どもは夫婦関係を安定させるから」「子どもは老後の支えになるから」などがありましたが、上記のグラフでご紹介している理由がトップ3を占めていました。
多くの未婚の男女が「子どものいる生活が楽しく豊かになる」と考えています。
まだ結婚をしていない多くの女性や男性にとって、家族の生活に楽しさと豊かさを与えてくれる存在のひとつが「子ども」なんだろうと思い描いている姿が容易に見えてきます。
また、同じ調査結果の中で、未婚の男性と比べて「子どもを持ちたい理由」が「好きな人の子どもを持ちたいから」と答えた未婚の女性(55.1%)の方が多いことにも少し記憶に留めておいてください。
結婚後の妻の子どもを持ちたい理由
さて未婚の男女の「子どもを持ちたい理由」の調査結果を踏まえた上で、結婚した後の妻の調査結果も気になるところです。
結婚してからの妻はどのような理由で子どもを持ちたいと考えているのでしょうか。
子どもが1人以上欲しいと考えている初婚同士の夫婦の妻からの調査結果では、未婚の男女の結果同様に「豊かになる」「自然なこと」「好きな人の子」がトップ3を占めていました。
少なくとも女性に関しては、結婚前も結婚後も「子どもを持ちたい理由」に大きな変化がないことがわかりました。
【豊かになる】
未婚男性:66.5%
未婚女性:73.3%
結婚後の妻:78.4%
【自然なこと】
未婚男性:48.4%
未婚女性:39.0%
結婚後の妻:48.7%
【好きな人の子】
未婚男性:38.2%
未婚女性:55.1%
既婚の妻:37.7%
未婚者であろうと、既婚の妻であろうと、子どもは「夫婦の生活を楽しく豊かにしてくれる」と多くの人が考えていることがわかります。
また前項でお示ししたデータからもわかる通り、夫婦になれば「2人以上の子どもを理想」とする価値観が、以前からずっと続いているために「自然なこと」だと感じる人も多いのでしょう。
「自然なこと」と感じる背景には「子孫繁栄は生物として当然」というような学識ばったことではなく、社会の雰囲気というようなものがおそらく大きく影響しているように感じます。
いずれの経緯にしろ、未婚の男女や既婚の妻が、子どもを持つことが自然なことと感じていることに、子なし夫婦の私たち自身も素直に安心できます。
さて、未婚の女性が結婚して妻となることで大きな変化が生じないことに安堵している男性の方々がいるかもしれません。
しかし、よくデータを見てみましょう!
「好きな人の子」つまり「好きな人の子どもを持ちたいから」と回答した未婚女性の割合と既婚の妻の割合のギャップを!
未婚の女性の「好きな人の子」の割合が55.1%であったことに対して妻の数値は37.7%に減少しています。
この「好きな人の子」の数値の減少は何を意味しているのでしょうか。
私と同じ男性のみなさん、「なかったこと」にせず一緒に逃げずに考える必要がありそうです。
子なし夫婦の幸せのカギは男性!?
「好きな人の子どもを持ちたいから」という「子どもを持ちたい理由」が、結婚前には未婚の女性の55.1%を占めていたにも関わらず、結婚してからの既婚の妻では37.7%に減少してしまいました。
さらに男性、とくに既婚の男性の皆さんには残念なデータをもうひとつ紹介しましょう。
「子どもを持ちたい理由」が「好きな人の子」つまり「好きな人の子どもを持ちたいから」という妻の心境が、妻が年齢を重ねることで、どのように変化してしまうのかを示した調査結果が上のグラフです。
25歳未満:57.1%
25-34歳:48.6%
35-44歳:35.3%
45-49歳:30.6%
男性のみなさん、私と一緒に目をそらさずによく見てみましょう!
よーく見なくてもわかりますよね。
ざっと見ただけで妻の年齢を重ねれば重ねるほど「好きな人の子どもを持ちたいから」という妻の気持ちが、確実に減っていっている現実を!
結婚する前に「あなたにそっくりな子どもが欲しいわ」と、男性よりも強く考えていた女性は、結婚し、妻となり年齢を重ねれば重ねるほどにそんな想いを着々と減少させてしまっているのです。
男性としては非常に残念なデータです。
「勝手に想いを減少させた妻が悪い」のでしょうか?
わかっていますよね、妻は勝手に想いを減少させたのではなく、夫である男性が減少させたのですよね、きっと。
減少させた旦那である男性に改めるべき点が多くあるということかもしれません。
男性は「好きな人の子どもを持ちたい」と、結婚後も妻に思い続けてもらうようにしなければならなかったのです。
過ぎてしまった過去は仕方ないとして「未来は変えられる!」と信じて夫婦二人で歩んでいきたいものです。
まずは客観的なデータから目をそむけずに、夫婦二人で考えるための参考材料として、自分たちなりの夫婦のカタチを築きあげていけば良いのだと思います。
データは時に残酷ですが、用い方によって糧となってくれるでしょう。
まとめ
国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」のいくつかのデータを眺めていくと、多くの夫婦が「子どもがいる家族」を理想としていることが今も昔も大きく変わらない社会の認識が見えてきました。
子どもという存在が「楽しさや豊かさ」をもたらしてくれるのだとしたら、子どもを授からない子なし夫婦は、子どもという存在の代わりの「何か」を得ることで幸せを感じることができるかもしれません。
未婚の女性に比べて、既婚の妻が「好きな人の子どもを持ちたい」という気持ちが年齢を重ねるほどに減少しているデータの数値を見せつけられて、論理的思考癖のある男性は「既婚の夫のデータが示されていないじゃないか」と反論したくなるお気持ちも同じ男性としてはわかります。
ちなみに残念ながら同調査には「男性の夫」のデータは見当たりませんでした。
ただ賢明な既婚の夫なら、我が身を振り返って、自分の妻のことを考えてみませんか(と、私も私自身に必死に訴えかけています)。
もし自分の妻が「好きな人の子どもを持ちたい」という想いを、結婚前、結婚後に年を重ねる中で減少させているのだとしたら、夫として「何か」できることがあるかもしれません。
仮にその「何か」が明確に見つからなくても、妻と一緒になって「何か」を見つけようとする過程自体が実はその「何か」に成り得るかもしれません。
つまり、その「何か」が見つかる、または見つけようとすることが、私たちのような子なし夫婦にとっての「子どもの存在」の代わりとなってくれるような気がします。
そのイニシアティブを夫が試みるのも悪くはなさそうですね。
子なし夫婦の二人だからこその幸せをつかむヒントが「子どもを持ちたい理由」に多く隠されているように思うのは私だけでしょうか。
人は与えられたカードだけで生きていかなければならないのだとすれば、前向きに受け止めて人生を歩んでいきたいものですね。
私たち子なし夫婦の「何か」を見つける冒険のひとつとして、妻が初めてブログ記事にチャレンジしたのが下の記事です。
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。これからも良質な情報をお届けできるよう精進いたします。今後とも「途次大志の備忘録」をお引き立ての程、よろしくお願い致します。 途次大志