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少数派のせいか子なし夫婦ならではの情報は容易には得られないよね


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総務省のデータから子なし夫婦ならではの食費の目安を算出してみようか

このブログ記事にたどり着いて頂きありがとうございます。「途次大志の備忘録」の執筆者で「健康」と「時間」と「お金」があれば、大抵のことはできるんじゃないかな?と思う途次大志(toji-taishi)です。

子どものいない世帯の食費や生活費の目安は、子どものいる世帯や単身世帯に比べるとなかなか得難いもののように感じます。テレビや行政の情報を探ってみても、大抵は家族二人以上の世帯、つまり子どものいる世帯やせいぜい単身世帯の情報で、子なし夫婦の場合はそれらのデータを参考にして類推しなければなりません。

私たち夫婦も結婚20年以上の子なし世帯ですが、なにせ100組中6組程度の子なし夫婦の割合から考えると、子なし夫婦に向けた情報を得難い状況もやむを得ないような気もします。

子なし夫婦であっても他の世帯と同様に将来への備えというのは必要なので、総務省の「家計調査報告」から子なし夫婦の1ヶ月の食費の目安を算出してみました。

子なし夫婦の食費の目安
  • 独身の頃のように楽しみたいなら:月8万円/2人
  • 極限の「節約」を楽しみたいなら:月4万円/2人
  • 適度な「節約」を楽しみたいなら:月6万円/2人
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総務省のデータを元に子なし夫婦の食費の目安を探る

「世帯」と一口に言っても多様化が進む中で目安はあくまで目安にしかなりません。個別の世帯としての目安が欲しいなら、詳細に家計簿を付け続けることが自分たちに最適なお金の使い道を知る方法なのでしょう。ただ家計簿をしっかりと付け続け、個別の世帯なりの目安を得たとしても、全体として、周りの子なし夫婦の世帯がどの程度なのかということを知っておくと将来設計にも役立ちそうに感じます。周りの子なし夫婦の目安よりもオーバーしているようなら自分たちの食費の見直しが必要かもしれないと気づかせてくれますし、周りの目安よりも下回っていれば自分たちの努力を褒めてあげたい気分にもなるでしょう。

そんな訳で、総務省の「家計調査報告」を元に子なし夫婦の1ヶ月の食費の目安を探っていきます。

子なし夫婦世帯の食費のデータはない

KNF34世帯別の1ヶ月の支出割合
総務省の「家計調査報告」を探ってみると「二人以上の世帯」と「単身世帯」が、1ヶ月にお金を「何に」「どれくらい」使ったのかを知ることができます。その情報を元に、両世帯の費用ごとの「支出割合」を算出してみました。

世帯別の1ヶ月の支出割合
    • 食料:二人以上26%・単身25%
    • 住居:二人以上6%・単身14%
    • 光熱・水道:二人以上8%・単身7%
    • 家具・家事用品:二人以上4%・単身3%
    • 被覆・履物:二人以上3%・単身3%
    • 保健医療:二人以上5%・単身4%
    • 交通・通信:二人以上15%・単身13%
    • 教育:二人以上4%・単身0%
    • 教養娯楽:二人以上10%・単身12%
    • その他:二人以上20%・単身19%

参考:総務省統計局「家計調査報告」

世帯に子どもがいるかいないかを示す支出の項目として「教育」に注目してみます。「二人以上の世帯」では1ヶ月の全支出の4%が子どもの教育に使われていることがわかります。一方で「単身世帯」では当然のことながら教育の支出割合は0%です。書籍の購入や教養または娯楽に関するサービスは「教育」項目ではなく「教養娯楽」の項目に含まれており「二人以上の世帯」も「単身世帯」も同様に10%程度支出していることがわかります。

「単身世帯」の「住居」の支出割合が「二人以上の世帯」に比べ大きくなっていますが、住宅ローンを完済した高齢者の世帯が「二人以上の世帯」に多く含まれていることが背景にあるのかもしれません。

「二人以上の世帯」と「単身世帯」の支出割合をグラフとして見比べてみると「教育」と「住宅」で差があるとはいえ世帯の違いによって大きな差がないように見受けられます。このことは「子なし夫婦世帯」であっても1ヶ月の支出の割合としてみれば大いに参考になるように思います。

二人以上世帯と単身世帯のデータ

KNF34世帯別の1ヶ月の支出額「二人以上の世帯」と「単身世帯」の費用ごとの支出割合は先ほどご紹介した通り概ね同程度でしたが、1ヶ月の総支出額は10万円以上異なります。「二人以上の世帯」の平均消費支出が287,315円/月に対して「単身世帯」は162,833円/月です。

平均消費支出(総支出額)
  • 二人以上の世帯:287,315円/月
  • 単身世帯162,833円/月

参考:総務省統計局「家計調査報告」

「二人以上の世帯」と「単身世帯」の両世帯が、「何に」「どれくらい」のお金を支出しているのかをみていきましょう。ちなみに、以前の「子なし夫婦の生活費」についての記事でご紹介した通り「二人以上の世帯」の平均世帯人員を3人と考えることにします。


「二人以上の世帯」の平均世帯人員を3人として考えると「二人以上の世帯」の1ヶ月の総支出額は「単身世帯」の3倍の48万円(16万円/人 x 3人)になっていそうなものですが、実態は約29万円で、せいぜい2倍以下に収まっています。

世帯別の1ヶ月の支出額
  • 食料:二人以上73,977円・単身40,026円
  • 住居:二人以上16,915円・単身22,645円
  • 光熱・水道:二人以上22,019円・単身11,847円
  • 家具・家事用品:二人以上10,839円・単身4,692円
  • 被覆・履物:二人以上10,791円・単身5,312円
  • 保険医療:二人以上13,227円・単身7,175円
  • 交通・通信:二人以上32,107円・単身21,537円
  • 教育:二人以上11,785円・単身0円
  • 教養娯楽:二人以上27,581円・単身18,865円
  • その他:二人以上58,074円・単身30,734円

参考:総務省統計局「家計調査報告」

今回、子なし夫婦の食費の目安を探っているので「食料」の項目を見ても「単身世帯」が40,026円/月に対して「二人以上の世帯」は2倍以下の73,977円/月であることがわかります。「二人以上の世帯」には子どものいる世帯はもちろん、高齢者や現役世代の子なし夫婦の世帯が含まれますが、世帯人員が二人以上であることは経済的に「単身世帯」に比べ効率的であることが読み取れそうです。

子なし夫婦の食費の目安を探るのに難しい点は、子なし夫婦が「二人以上の世帯」に分類されながらも、「教育」の項目に代表される通り、全ての項目において子どものための支出が必要でない実情は「単身世帯」にむしろ似通っているのではないか?という点でしょう。

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単身世帯のデータを元にする

KNF34単身世帯の
1ヶ月の食料費の推移
子なし夫婦は「二人以上の世帯」に分類されるものの日々の生活の感覚で考えると、子どもがいる世帯に比べれば「単身世帯」の生活スタイルに類似性を覚える人も多いのではないでしょうか。周りの子どものいる夫婦に比べれば、子どものいない私たちのような夫婦は、良くも悪くも夫婦二人の都合だけを中心にして生活が進んでいきます。人生の三大資金のひとつと言われる教育資金を準備しておく必要もなく、休日の出掛け先も大人二人が満足するスポットを選ぶことができます。子なし夫婦の1ヶ月の食費の目安を算出するには、むしろ「単身世帯」の平均的な食費が参考になるように思えてきます。

そこで「単身世帯」の食費を詳細に探っていきます。2011年から2018年の総務省の「家計調査報告」によると「単身世帯」の1ヶ月の食費は4万円程度で大きな変化は見られないため、近々の2018年のデータ(40,026円/月)を参考に、子なし夫婦の食費の目安を求めていきましょう。

単身世帯の1ヶ月の食料費の推移
  • 2011年:37,775円
  • 2012年:37,726円
  • 2013年:37,831円
  • 2014年:38,539円
  • 2015年:40,202円
  • 2016年:39,808円
  • 2017年:39,649円
  • 2018年:40,026円

参考:総務省統計局「家計調査報告」

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単身世帯のデータを元に子なし夫婦の食費の目安を探る

ここまで総務省の「家計調査報告」の「二人以上の世帯」と「単身世帯」の食費など生活費のデータを整理してきました。これらのことから、子なし夫婦の食費の目安を算出する方向性として、下記のような手応えを得ています。

子なし夫婦の食費の目安を算出する材料(その1)
  • 世帯によって「支出割合」は大きくは変わらない
  • 食費は「二人以上の世帯」では73,977円/月、「単身世帯」では40,026円/月
  • 子なし夫婦の生活はむしろ「単身世帯」に近い

子なし夫婦の食費の目安の算出をさらに進めますが、本記事が長くなってきているのでお気に入りに登録されるなりして休みながら、ゆったりとお付き合いください。

いよいよ具体的な子なし夫婦の食費の目安額の算出へと向かいます。

単身世帯の食費の内訳

KNF34単身世帯の
1ヶ月の食料費の内訳額
子なし夫婦の私たちも、子どもと暮らす日々の生活には経験値がありませんが、独身で暮らしていた「単身世帯」の生活には私の場合は10年以上の経験値があります。「単身世帯」の食費の内訳金額のデータは、独身生活の経験者なら多くの方が理解しやすいのではないでしょうか。

単身世帯の1ヶ月の食費の内訳金額
  1. 外食:10,653円
  2. 調理食品:6,743円
  3. 野菜・海藻:3,693円
  4. 飲料:3,098円
  5. 穀類:2,662円
  6. 菓子類:2,604円
  7. 魚介類:2,217円
  8. 肉類:2,009円
  9. 酒類:1,704円
  10. 乳卵類:1,643円
  11. 果物:1,538円
  12. 油脂・調味料:1,397円

参考:総務省統計局「家計調査報告」

「単身世帯」の食費の内訳金額で、突出して大きいのが「外食」で、続いて「調理食品」です。私にも経験がありますが、健康と節約のために「自炊をしよう!」と心に決めてスーパーで一週間分の食材を買い込んで、幾度となく冷蔵庫の中でダメにしてしまったことか。そんな苦い経験を重ねて「一人分を自炊するくらいなら外食の方が良い!」と割り切ってしまいたくなりますよね。その気持ちよくわかります。

結婚をすると、さすがに外食一本の生活は経済的にも情緒的にも難しく、独身の頃に比べてすっかり外食が減ったと感じている子なし夫婦は私だけではないでしょう。食費の「支出割合」を見ると子なし夫婦は感覚的に「単身世帯」に近いと考えていましたが、もともとの分類上に属する「二人以上の世帯」に子なし夫婦は近いのかな?と怪しくなってきました。そこで「二人以上の世帯」の食費の内訳を確認してみましょう。

二人以上世帯との食費の内訳を比較

KNF34世帯別の
1ヶ月の食料費の内訳割合
文頭でご紹介した食費や光熱水道費などの割合を示した「世帯別の1ヶ月の支出割合」では「二人以上の世帯」と「単身世帯」では大きな違いは見られなかったものの食費の内訳の割合には両者に違いがあることがわかります。

世帯別の1ヶ月の食費の内訳割合
  • 穀類:二人以上8%・単身:7%
  • 魚介類:二人以上8%・単身:6%
  • 肉類:二人以上10%・単身:5%
  • 乳卵:二人以上5%・単身:4%
  • 野菜・海藻:二人以上12%・単身:9%
  • 果物:二人以上4%・単身:4%
  • 油脂・調味料:二人以上5%・単身:3%
  • 菓子類:二人以上5%・単身:3%
  • 調理食品:二人以上13%・単身:17%
  • 飲料:二人以上6%・単身:8%
  • 酒類:二人以上4%・単身:4%
  • 外食:二人以上17%・単身:27%

参考:総務省統計局「家計調査報告」

子どものいる夫婦を含む「二人以上の世帯」では、比較的バランス良く全項目が食費の中で分配されていることがわかります。「単身世帯」の食費の内訳では「外食」と「調理食品」の割合が目立ち「飲料」の割合が「二人以上の世帯」に比べ大きくなっています。最近では「水筒男子」という言葉も聞かれますが、実はその多くは既婚者だったのかも?という気がしてきます。

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単身者ならではの特徴

KNF34世帯別の食料費の内訳額
「単身世帯」の食費の内訳割合が「二人以上の世帯」に比べが多かった「外食」「調理食品」「飲料」の内訳金額を見てみると、「単身世帯」の「外食」が「二人以上の世帯」に迫る金額であることがわかります。

世帯別の食費の内訳(抜粋)
  • 外食:二人以上12,247円・単身10,653円
  • 調理食品:二人以上9,917円・単身6,743円
  • 飲料:二人以上4,435円・単身3,098円

参考:総務省統計局「家計調査報告」

「二人以上の世帯」の平均人員数を3人とすると、独身者一人でほぼ3人分の金額の外食をしているとも考えられます。先述した通り「単身世帯」に比べて「二人以上の世帯」だと家計の効率が高まり、食費も支出全体も「単身世帯」の2倍以下の金額に収まっていますが、「外食」と「調理食品」と「飲料」に関しては当てはまらないようです。くれぐれも「単身世帯」の支出が良くないと言っているのではありません。私も10年以上の独身生活を過ごしましたから。現に私も独身の頃は、調理の手間とキッチンの掃除を省くという大義名分を掲げて、外食や調理食品で過ごしていましたし、電気ケトルがありながら買ってきたペットボトルで喉を潤していましたから。

子なし夫婦の今は独身の頃に比べ外食をする機会が減ったとは言いながらも生活感はやはり「単身世帯」に近いと感じています。

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まとめ

KNF34子なし夫婦世帯の食料費の目安
子どもをもつ世帯の人たちからは「子どもがいないことを都合の良い理由に使っている」と思われるかもしれませんが、少なくとも私に関して言えば「単身世帯」に似た金銭感覚が続いているように思います。

子なし夫婦の食費の目安を算出する材料(追記)
  • 世帯によって「支出割合」は大きくは変わらない
  • 食費は「二人以上の世帯」では73,977円/月、「単身世帯」では40,026円/月
  • 子なし夫婦の生活はむしろ「単身世帯」に近い
  • 外食、調理食品、飲料の食費の内訳割合は「単身世帯」の方が多い
  • 「単身世帯」の食費から外食、調理食品、飲料を差し引くと19,532円/月
  • 「二人以上の世帯」は経済効率が「単身世帯」よりも良い

総務省の「家計調査報告」からデータを抽出し、子なし夫婦の食費の目安を探ってきました。「単身世帯」の食費を元に考えると、子なし夫婦が独身の頃のように楽しみたいのであれば「単身世帯」の2人分の金額である80,052円(約8万円)の食費が1ヶ月当たりの目安になるでしょう。

結婚を機会に、子なし夫婦二人で何か目的があって、極限の節約も楽しみたいなら「単身世帯」から「外食」「調理食品」「飲料」を差し引いた金額を2人分にした39,064円(約4万円)が目安となるでしょう。

「単身世帯」から「外食」「調理食品」「飲料」を差し引くと、その分の自炊のための食材費が必要ではないかと思われるかもしれませんが、「二人以上の世帯」だと経済的な効率が上がることを今回のデータからも読み取れたので何とかなるように思います。

極限の節約とまではいかないまでも「単身世帯」ではなく「二人以上の世帯」らしく、それなりの適度な節約を楽しみながら日々を暮らしたいという場合は、8万円と4万円の間を取った6万円という金額を子なし夫婦の食費の目安にすると良いのかもしれません。

子なし夫婦の食費の目安
  • 独身の頃のように楽しみたいなら:月8万円/2人
  • 極限の「節約」を楽しみたいなら:月4万円/2人
  • 適度な「節約」を楽しみたいなら:月6万円/2人

同じ子なし夫婦でも価値観はそれぞれで、目安はただの目安でしかありません。それでも、公のデータから考察した「子なし夫婦としての食費の目安」があれば私たち夫婦も将来設計を考える上でも話し合いやすくなりました。何より大事なことは二人が納得をしていればそれで良いのだと思います。

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参考文献

総務省統計局「家計調査報告」

最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。これからも良質な情報をお届けできるよう精進いたします。今後とも「途次大志の備忘録」をお引き立ての程、よろしくお願い致します。 途次大志

Title toji-taishi-no-bibouroku途次大志のプロフィール紹介

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