全国14の長距離フェリーの航路でどれを選べば良いかな?
自分に合った「船旅の選び方」を紹介するよ
こんな人にオススメ
- どんな長距離フェリー航路があるのか知りたい人
- 自分に合った航路を選び方を知りたい人
- 船酔いが心配な人
このブログ記事にたどり着いて頂きありがとうございます。「途次大志の備忘録」の執筆者で長距離フェリーで旅に出たい途次大志(toji-taishi)です。
まだ一度も長距離フェリーで旅をしたことがない人も、すでに大海原を移動する魅力を知っている人も、あなた好みの船旅が見つかります。長距離フェリーは比較的価格が安い単なる移動手段というだけでなく、散策できる空間が付いて、レストランも付いて、大浴場も付いた宿泊施設が一体化した移動手段なのです。
- 東京と大阪からどこへ行ける?
- 新しい船に乗りたいなら?
- 船酔いが心配ならどの航路?
日本長距離フェリー協会によると
長距離フェリーの運航会社が参加している一般社団法人日本長距離フェリー協会をご存知でしょうか。この協会の公式サイトの情報をまずは長距離フェリーについての情報を整理しておきましょう。
全国の長距離フェリー航路
日本で運航している長距離フェリーの航路数は14航路です。日本を関東、近畿などの八地方区分で見ると中国地方を除いて長距離フェリーが発着しています。関東地方の港を発着する長距離フェリーで北海道、四国、九州へ旅することができ、中部地方の港からは北海道、東北、近畿地方の港からは九州に行くことができます。移動手段はもっぱら飛行機か鉄道だったという人も、あなたのお住まいの地方からどの地方に行くことができるかを一覧でご確認できます。北海道地方の人は東北、関東、中部へ、東北地方の人は中部へ、四国の人は関東、九州、九州の人は近畿に旅することができるのです。
沖縄への長距離フェリー
八地方区分では正確には、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、そして「九州沖縄」です。中国地方を発着する長距離フェリーが現在(2019年5月)運航していないことに触れた先の表では、実は八地方区分の「九州沖縄」を「九州」と表記しています。先の表が示す通り、現在「九州沖縄」以外の地方を結ぶ沖縄を発着する長距離フェリーは運航されていないのです。以前は、関東、近畿と沖縄を結ぶ長距離フェリーがあったようですが、残念ながら現在は廃止となったようです。再び沖縄発着の長距離フェリーが運航されることを望んでやみません。
長距離フェリーに新造船導入
国内クルーズ人気は高まっており2019年も新造船が導入されました。私のようなアラフィフ世代だと学生時代に旅費を少しでも安くするためだけにフェリーを利用した経験を持つ人もいるでしょう。当時の経験からもしかしたら船旅にあまり良い記憶が残っていない人もいるかもしれません。あの頃とはすっかり時代は変わっていることにお気づきでしょうか。21世紀を向かえた2001年以降に就航した船は以前と比べてガラリと変わっており、昔のフェリーの印象が大きく変わるでしょう。2001年以降に就航した船は全体の約9割で、2011年以降は半分以上です。
長距離フェリーの予約やツアー
全国14航路は中・長距離フェリー会社8社で運航されています。長距離フェリーに乗船するための予約は8社全てでインターネット予約が可能です。徒歩での利用やマイカーやバイクでの利用が可能な点は以前と同様です。それぞれの航路を運航する8社では往復割引や各種割引に加えツアー商品を提供しているので、各社の公式サイトで確認して自分に合った乗船方法を選びたいものです。
ペットと一緒に長距離フェリー
一般社団法人ペットフード協会の調査(2017年)によると犬を飼っている世帯は12.84%、猫は9.71%だそうです。
長距離フェリーでは事前に予約をしておけばペットも乗船することが可能です。ペットルームに預けるだけでなく、ペットと一緒に宿泊できる客室を提供している運航会社もあります。
長距離フェリーの乗船記
実際に長距離フェリーに乗船してみると、飛行機や鉄道とはまた異なる落ち着いた移動を楽しむことができます。たとえば大阪から鹿児島まで移動するのに飛行機なら約1時間、新幹線でも約4時間で到着できるところを長距離フェリーでは約15時間を掛けて移動します。移動の間は自由に船内を散策しても良し、レストランで食事をしても良し、大浴場でゆったりしても良し、大海原の景色を前に日々の忙しさを忘れても良し、とにかくのんびりとした時間を持つことができます。単なる移動だけではない長距離フェリーの旅は他では味わえない時間を与えてくれるのです。
長距離フェリー船旅の見つけ方
長距離フェリーを移動手段のひとつに加えると旅がより奥深いものになります。マイカーで利用する人もフェリーに乗っている間は渋滞から開放されます。自分に合った長距離フェリー旅の見つけ方としてタイプ別におすすめの航路や船舶をご紹介します。
- 東京〜徳島〜北九州
- 大洗〜苫小牧
- 新潟〜小樽
- 敦賀〜新潟〜秋田〜苫小牧東
- 敦賀〜苫小牧東
- 舞鶴〜小樽
- 名古屋〜仙台〜苫小牧
- 大阪〜新門司
- 大阪〜志布志
- 大阪〜別府
- 神戸〜大分
- 神戸〜宮崎
- 神戸〜新門司
- 泉大津〜新門司
東京から長距離フェリーに乗船
住んでいる場所から利用しやすそうな航路を選んでみましょう。東京周辺に住んでいる方なら5つの航路が利用しやすそうです。
- 東京〜徳島〜北九州
- 大洗〜苫小牧
- 新潟〜小樽
- (敦賀〜)新潟〜秋田〜苫小牧東
- 名古屋〜仙台〜苫小牧
東京都心部から近いのは「東京港フェリーターミナル」を発着する東京〜徳島〜北九州です。その他の4航路は東京駅から鉄道や高速バスなど利用して水戸、新潟、名古屋から長距離フェリーに乗船できます。
大阪から長距離フェリーに乗船
東京周辺に比べ大阪周辺に住んでいる人の方が長距離フェリーを利用しやすい環境であることをご存知だったでしょうか。私も大阪出身者ですが、たいていのことは東京の方が恵まれていると思うだけに長距離フェリーに関しては完全に「西高東低」なのです。
- 敦賀〜新潟〜秋田〜苫小牧東
- 敦賀〜苫小牧東
- 舞鶴〜小樽
- 名古屋〜仙台〜苫小牧
- 大阪〜新門司
- 大阪〜志布志
- 大阪〜別府
- 神戸〜大分
- 神戸〜宮崎
- 神戸〜新門司
- 泉大津〜新門司
大阪都心部からは「大阪南港フェリーターミナル」と「さんふらわあ第1・第2ターミナル」は近く、気軽に利用できます。大阪港以外でも神戸や泉大津なら大阪都心部からも身近な場所です。大阪、神戸、泉大津の港以外にも敦賀、舞鶴、名古屋の港まで含めれば全国14航路のうち約8割の11航路が大阪から利用できます。
新造船:新しい船で旅がしたい人
どうしても昔ながらのフェリーの印象が拭いきれないと二の足を踏んでしまう人は、ぜひ新しい船で旅すると良いでしょう。長距離フェリーの旅が進化していることを実感できます。全国14航路では35隻の船舶が運航しており、21世紀に入ってからの2001年以降に就航した船が約9割を占めています。同一航路でも運行日によって使用する船舶は異なるため、より確実に新しい船舶に乗船するのであれば航路だけでなく運行日も調べておいた方が良いでしょう。下記の航路であれば使用されている船舶がすべて2011年以降に就航した新しい船舶で、運行日を間違えて新造船に乗れなかったということは避けられます。
- 東京〜徳島〜北九州
- 新潟〜小樽
- 敦賀〜苫小牧東
- 大阪〜志布志
- 泉大津〜新門司
20世紀船:今のうちに乗れる船で旅したい人
全国14航路で使用されている35隻のうち2001年以降に就航した船舶が約9割ということは、逆を言い返せば1990年から2000年に就航を開始した「20世紀船」はむしろ貴重な存在ということになります。なお「20世紀船」は本記事での造語です。アラフィフ世代で学生の頃に乗った記憶を呼び起こしたいのであれば、今のうちに「20世紀船」に乗っておかないといずれ同じ航路に新造船が導入されるかもしれません。また新造船と「20世紀船」を乗り比べることで、改めて新造船が利用者にとって使用しやすい設備になっていることを実感できます。
- 大阪〜別府
- 神戸〜宮崎
長距離:より遠くへ旅がしたい人
一度でも長距離フェリー旅を経験すると、より遠くへ、より長く船旅を楽しみたいと思うようになります。全国14航路の中から運航距離が900kmを超える航路をピックアップしました。運航距離が900kmを超えると乗船時間も20時間を超え、寄港なども含めて最長距離の名古屋〜仙台〜苫小牧航路では運航距離1,330km、乗船時間40時間でたっぷりと船旅を楽しめます。
- 東京〜徳島〜北九州
- 敦賀〜新潟〜秋田〜苫小牧東
- 敦賀〜苫小牧東
- 舞鶴〜小樽
- 名古屋〜仙台〜苫小牧
短時間:船酔いが心配な人
長距離フェリーの旅に興味があっても長い時間を海の上で過ごしことに船酔いの心配がある人は乗船時間が短い航路を選ぶと良いかもしれません。さらに言えば、外海ではなく内海を運航する航路が良いでしょう。太平洋航路の外海では天候によって船体が大きく揺れることがどうしても避けられません。さらに気分的なものを考慮すると、なるべく新しい船舶の方が良いのかもしれません。
船酔い対応としての「船酔い回避の3条件」をこの記事では定義してみます。
- 乗船時間が短い:乗船時間16時間以内
- 内海を航行:瀬戸内海航路、日本海航路
- なるべく新しい船舶:2011年以降に就航した船舶
より安全策としてこの記事で定義した「船酔い回避の3条件」をすべて満たす航路は下記です。
- 新潟〜小樽
- 大阪〜新門司(使用船舶による)
- 泉大津〜新門司
実際に乗船することで船酔いの不安が解消され他の航路の魅力に触れることができるようになれば良いですね。
まとめ
全国14航路の中からあなたに合った航路は見つかったでしょうか。航路を選ぶ際には、目的地だけでなく出発港へのアクセス、船舶の好み、航行する航路状況など様々な面から検討することができます。一般社団法人日本長距離フェリー協会の公式サイトの情報をもとに船旅で利用できる14航路の35隻の船舶名、就航開始年、総トン数、全長、定員人数などを一覧にまとめましたので、新しい視点であなたに合った航路が見つかるかもしれません。一覧にすることで、長距離フェリーの船舶にも色々な個性があることを再認識し「さて、今度はどの航路で船旅を楽しもうか」と思っています。
長距離フェリーの旅にご興味がある方はぜひ港町の横浜観光はいかがでしょうか。
横浜在住20年の途次大志が横浜の歴史をあれやこれや調べてみました。
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。これからも良質な情報をお届けできるよう精進いたします。今後とも「途次大志の備忘録」をお引き立ての程、よろしくお願い致します。 途次大志