子なし夫婦の幸せな結婚生活のために対極の「離婚理由」を探ってみよう
妻が抱く離婚の理由は夫とは異なるみたいだよ
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「途次大志の備忘録」の執筆者の途次大志(toji-taishi)です。
縁があって結ばれた夫婦なので、幸せな結婚生活を送りたいものですね。
子どもがいれば夫婦の仲に雨雲が迫ってきたとしても、子育てがきっかけで再び晴れの日を取り戻すということも起こりうるのでしょうが、子なし夫婦の場合はきっかけもすべて夫婦次第のところがあります。
私たちも20年以上の子なし夫婦ですが、晴れの日もあれば、曇りの日もあり、時には雨の日もあります。
書籍「さあ、才能に目覚めよう」を読んでいたら、「善は悪の対極にあるもの」とありました。どういうことかな?と読み進めると、「良い」状態へ向かうヒントは「悪い」状態の中にあるということのようです。
幸せな結婚生活を理解するためには、その対極にある「離婚の原因」を探ってみるとヒントが見つかりそうだということですね。
子なし夫婦の夫である私も、気づかないうちに妻に愛想を尽かされないように厚生労働省や最高裁判所の「司法統計」の公的なデータをもとに離婚の原因を探ってみました。
- 離婚理由に子どもの有無は関係なさそう!
- 妻は結婚と離婚について夫より真剣に考えていそう!
- 子なし夫婦の夫は妻のことをもっと知った方が良さそう!
子なし夫婦の離婚理由を探る
夫婦になれたのだから幸せな結婚生活を送りたいと多くの人が思いながらも、長期間にわたって他人同士が生活を伴にするということ自体、そもそも簡単なことではないのでしょう。
大人二人だけの子なし夫婦が幸せな日々を続けるためのヒントを、対極にある離婚から探っていきましょう。
子どもの有無による月別の離婚件数
子なし夫婦にとって「離婚に子どもの有無がどれくらい影響するのか」をまずは知っておく必要があるでしょう。
「子どものいる夫婦」と「子なし夫婦」の月別の離婚件数の比較を、厚生労働省のデータが示しています。
届出月別離婚件数
1月
子ども有り:11,710
子ども無し: 8,597
2月
子ども有り:11,991
子ども無し: 8,609
3月
子ども有り:15,706
子ども無し:10,182
4月
子ども有り:13,010
子ども無し: 9,403
5月
子ども有り:11,416
子ども無し: 8,796
6月
子ども有り:11,533
子ども無し: 8,924
7月
子ども有り:11,889
子ども無し: 8,968
8月
子ども有り:10,698
子ども無し: 8,520
9月
子ども有り:11,794
子ども無し: 8,904
10月
子ども有り:12,136
子ども無し: 9,447
11月
子ども有り: 9,981
子ども無し: 7,586
12月
子ども有り:11,979
子ども無し: 9,456
参考:厚生労働省「離婚に関する統計(H21)」表3
子なし夫婦に比べれば子どものいる夫婦が多いこともあり、離婚件数自体は子どものいる夫婦の方が多いですが、月別の増減はよく似た傾向であることがわかります。
子どものいる夫婦も子なし夫婦も3月には離婚件数が増加し、11月には減少しています。
学校はもとより企業も決算期を3月に設定しているところもまだまだ多く、春は心機一転という気分が世の中にあり3月に離婚が多くなるのもなんとなく理解はできますが、11月に離婚が少なくなる理由はよくわかりません。
いずれにしろ、不思議なくらい子どものいる夫婦と子なし夫婦では、月別の離婚数の傾向が似ているということは読み取れ、子どもの有無が離婚に大きな影響を及ぼしていないと言えるでしょう。
結婚はもとより離婚も夫婦二人だけの問題ということを踏まえた上で、離婚の原因を探っていきます。
妻に抱く夫の離婚理由
最高裁判所の司法統計では、婚姻関係事件として申し立てのあった動機をデータとして提供してくれています。
子どもの有無に関わらず、どういった理由で夫婦が離婚をするのかを探ることができそうです。
7種の申し立ての動機より最大3個まで選択
夫の回答総数:17,146
- 性格不一致:10,438
- 異性関係:2,373
- 性的不一致:2,141
- 浪費:2,030
- 暴力:1,502
- 病気:643
- 暴飲:384
参考:最高裁判所司法統計H30家事事件「離婚関係事件」
データを一見すると、夫が考える離婚の理由は「性格不一致」が他の離婚理由に比べて著しく高いことがわかります。
夫から見た妻との関係上の問題点なので、妻の「暴力」と「暴飲」を離婚理由に挙げる夫が少ないことは容易に理解できそうです。
このデータで示されている離婚の原因は、「性格不一致」「暴力」「暴飲」の他にも「異性関係」「性的不一致」「浪費」「病気」の7種類に分類されていますが、夫が妻に抱く離婚原因が「性格不一致」が他の6種類に比べて群を抜いて高い、言わば「一人勝ち」の印象を記憶しながら今度は妻が夫に抱く離婚原因を見ていきましょう。
夫に抱く妻の離婚理由
夫に抱く妻の離婚の原因においても、「性格不一致」が一番多い離婚理由のようです。
ただ夫の離婚原因と比べて、「性格不一致」だけでなく「暴力」「異性関係」「浪費」もある程度の支持を集めていることが一見して理解できます。
7種の申し立ての動機より最大3個まで選択
妻の回答総数:46,756
- 性格不一致:18,268
- 暴力:9,745
- 異性関係:7,378
- 浪費:4,686
- 性的不一致:3,293
- 暴飲:2,752
- 病気:845
参考:最高裁判所司法統計H30家事事件「離婚関係事件」
夫の離婚原因が「性格不一致」の1点集中に対して、妻は夫からの「暴力」など多岐にわたり複雑であることが見て取れます。
さらに夫と妻の離婚原因のデータを見比べて、もうひとつ注目しておきたいのは、回答総数の差異です。
夫からの回答総数17,146に対して、妻からの回答総数は46,756で、夫の回答総数の約3倍に相当しています。
一夫一婦制なので、本来、この夫と妻の回答総数は同程度、正確には同数になるはずです。この約3倍の差異の発生は、本調査が離婚の原因を「最大3個まで選択する」という方法で重複集計されたためだと考えられるでしょう。
想像ではありますが、本調査に際して多くの夫が「正確不一致」の1個だけを選択して回答を済ませたのに対して、最大3個までの範囲でしっかりと妻は回答を済ませたということなのかもしれません。
単純に、数だけを比較すると、夫より妻の方が約3倍の離婚の原因を抱えていたという捉え方もできるでしょう。
まとめ
まとめとして、離婚の7種類の原因を夫と妻、それぞれでの比率で見ていきましょう。
妻と夫の離婚の原因
7種の申し立ての動機より最大3個まで選択
夫の回答総数:17,146
妻の回答総数:46,756
性格不一致
夫:53.5%
妻:38.9%
異性関係
夫:12.2%
妻:15.7%
暴力
夫: 7.7%
妻:20.7%
暴飲
夫:2.0%
妻:5.9%
性的不一致
夫:11.0%
妻: 7.0%
浪費
夫:10.4%
妻:10.0%
病気
夫:3.3%
妻:1.8%
参考:最高裁判所司法統計H30家事事件「離婚関係事件」
改めて、比率で見ていくと、夫が抱く妻への離婚の原因は「性格不一致」が過半数を超えているのに対し、妻が抱く夫への離婚原因は「性格不一致」も4割以下で、その分、「異性関係」「暴力」「暴飲」で比率が増えていることがわかります。
妻の離婚の原因の「暴力」については2割強で、「性格不一致」に続き2番目に多い比率であることに、男性としては注意が必要なのでしょう。
これまでのデータでも見てきたように、そもそも妻は夫の約3倍の離婚の原因を抱え、さらに多岐にわたり複雑であることが見えてきました。
そして、何より重要なことは「妻と夫の間の差異が存在している」ということを改めて理解しておくと、子なし夫婦を含めた夫婦が幸せな結婚生活を過ごしていくヒントになるのかもしれません。
もっとも、裏を返せば、夫婦の間に差異があるから離婚に至ると言えばそれまでなのですが、たとえば「暴力」や「暴飲」のように、もしかしたら夫にとっては許容の範囲だと捉えていたとしても、妻にとっては許容範囲外の問題行動と受け取っているということもあるでしょう。
子なし夫婦の夫である私も、改めてこの夫婦の間に生じてしまう差異に気をつけながら、晴れの日も、曇りの日も、雨の日も結婚生活を過ごしていこうと感じています。
最後に、今回の本記事のきっかけとなった書籍「さあ、才能に目覚めよう」では、今回、この記事で展開したような「善は悪の対極にあるもの」という考え方のもと「悪」を明らかにして「善」に向かうというアプローチではなく、むしろ「善」を明らかにしてさらに「善」を高めようというアプローチが紹介されています。
参考文献
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。これからも良質な情報をお届けできるよう精進いたします。今後とも「途次大志の備忘録」をお引き立ての程、よろしくお願い致します。 途次大志