母親と「同居」すると子どもが生まれやすいらしいよ
むしろ夫婦だけで暮らす「別居」の方だと思うけどなあ
このブログ記事にたどり着いて頂きありがとうございます。
「途次大志の備忘録」の執筆者の途次大志(toji-taishi)です。
夫婦の価値観として「本当に子どもがいないままの人生で良い」と合致しているでしょうか?
私たち夫婦は子なし夫婦歴20年以上ですが、正直なところ、子どもを授かりたかったと今でも感じています。
もし夫婦のどちらかが子どもを授かりたいと、どこかでまだ考えているのなら、将来、後悔しないためにも夫婦でしっかりと話し合っておいた方が良さそうですね。
公的なデータを元にすると、子どもを授かりたいと思っているのなら東京を離れて母親と同居する方が良いのかもしれない?という解釈もできます。
- 人の少ない場所に住む
- どちらかの母親と同居する
子なし夫婦の不妊治療・東京を離れてみる
費用的にも、身体的にも、時間的にも大変な不妊治療を経ても、子どもを授かることができない人にとっては、休日のショッピングセンターで当たり前のように目にする子ども連れのファミリーがついつい羨ましく感じてしまいます。
そんな思いを抱く自分に嫌悪感に似た気持ちを抱いてしまうものですが、それは仕方のないことだとあまり自分を責めないであげましょう。
病院や自宅での不妊治療とは少し違う角度で、どうしたら「子どもを授かる確率が高まりそうか?」を探ってみませんか。
不妊治療のために東京を離れる?
地方と都会、どちらが、どれくらい子どもが生まれやすいのでしょう。
そもそも、住む場所によって違いがあるのでしょうか。
国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、夫婦が住んでいる場所を「非人口集中地区」、「200万未満の人口集中地区」、「200万以上の人口集中地区」の3つの地区に分けて出生児数を比べてみたそうです。
非集中地区:非人口集中地区
200万未満:200万未満の人口集中地区
200万以上:200万以上の人口集中地区
1997年
非集中地区:2.32
200万未満:2.16
200万以上:2.09
2002年
非集中地区:2.30
200万未満:2.20
200万以上:2.02
2005年
非集中地区:2.19
200万未満:2.07
200万以上:1.83
2010年
非集中地区:2.10
200万未満:1.90
200万以上:1.72
2015年
非集中地区:2.11
200万未満:1.88
200万以上:1.81
参考:国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」図表II-2-6
ご紹介したいずれの年代においても「人口が集中していない場所ほど出生児数が大きい」ことは共通しています。
各地区がどこの都市を示すのかという明確な定義はデータには見つかりませんでしたが、「200万未満」「200万以上」をひとつの目安にして、参考文献にあるウィキペデイア「日本の市の人口順位」の各都市の推計人口を見比べてみるとイメージがしやすいでしょう。
200万人以上の人口を抱える都市、つまり「200万以上の人口集中地区」は東京23区、横浜市、大阪市、名古屋市といった都市が含まれるのでしょう。
札幌市の人口はちょうど200万人弱ですので「200万未満の人口集中地区」に含まれ、福岡市、神戸市、川崎市、京都市、さいたま市、広島市、仙台市は人口が100万人以上で200万人未満の都市のようです。
「非人口集中地区」の明確な定義はわかりませんが、たとえば人口10万人未満だとすると、福岡県の大野城市、長野県の佐久市、新潟県の三条市が10万人弱の都市のようです。
いずれにしろ東京のような大都市を離れ、人口が集中していない地区の方が子どもを授かる可能性が高まるという解釈ができそうです。
まさかの母親との同居が不妊治療?
きっとこのデータの結果に驚かれるかもしれません。
夫婦のどちらかの母親との同居、近居、別居ではどうやら「母親との同居の方が子どもが生まれやすい」と解釈できそうですなのです。
1997年
同居:2.30
近居:2.25
別居:2.08
2002年
同居:2.36
近居:2.10
別居:2.21
2005年
同居:2.21
近居:2.11
別居:1.97
2010年
同居:2.09
近居:1.99
別居:1.84
2015年
同居:2.03
近居:2.02
別居:1.83
参考:国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」図表II-2-7
先ほどと同じ「出生動向基本調査」によると、ご紹介した年代のすべてで、常に「母親との同居」が近居や別居に比べて出生児数が高いという結果が得られたようです。
私の感覚だと、てっきり夫婦水入らずの「別居」の方が子どもが生まれやすいのだろうと思っていましたが、全く逆の結果でした。
「別居」での出生児数は、「近居」よりも概ね低いだけでなく、「同居」に対しては超えることさえありません。
「母親との同居が子どもが生まれやすい」という結果を説明するための理由はいくつか考えられるでしょう。
もしかしたら母親と近くで暮らすことで「精神的なゆとり」が生まれているのかもしれませんね。
子なし夫婦の割合をどう捉えるか?
リモートワークも普及し始め、必ずしも東京のような大都市に住む必要性が低くなってきた実感をもつ人も多くなってきたことでしょう。
朝と夕方の満員の通勤電車だけでなく、土地代が高く広々とした家に住むにはかなりの収入が必要でしょう。
多様性が受け入れられる時代だからこそ、夫婦二人が納得のいく結婚生活を歩みたいものです。
最近は、私たちのような子どもがいない夫婦も増えてきていることは、公的なデータからも読み取ることができます。
ただ、子なし夫婦が増えてきているという解釈も間違ってはいない一方で、結婚15年以上の「9割を超える夫婦には1人以上の子どもがいる」という捉え方もできるでしょう。
つまり一つのデータにおいて、価値観によって捉えようが異なるということかもしれません。
将来に禍根を残さないためにも、夫婦の価値観を確かめ合うことが大切なことのように感じます。
- 1997年:96.3%
- 2002年:96.5%
- 2005年:94.4%
- 2010年:93.7%
- 2015年:93.8%
まとめ
子どもを我が身に宿す女性の価値観を、男性は慎重に考えなければならないのではないかと自戒を含めて考えています。
今回ご紹介した2つのデータだけで、子どもを授かるために「東京を離れて母親と同居する」という決断を下すには不十分ではあるとは知りながら、もし妻が母親の近くにいることで、数値では測ることが難しい安堵感、やすらぎ、ゆとりといったものがあるのだとしたら、検討材料の一助にはなるのかもしれません。
子どもは天からの授かりもので、結局のところ人智の及ばないことなのかもしれません。
それでも、将来、夫婦が後悔をしないためにも、しっかりと夫婦の価値観を合致させ、実現に向けての可能性を高める努力をした上で「人智を尽くして天命を待つ」という状態にもっていきたいものですね。
参考文献
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。これからも良質な情報をお届けできるよう精進いたします。今後とも「途次大志の備忘録」をお引き立ての程、よろしくお願い致します。 途次大志