高齢者はデジタルツールをどれくらい利用しているのかな?
海外と比較すると日本はやっぱりまだまだみたいだよ
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「途次大志の備忘録」の執筆者の途次大志(toji-taishi)です。
老後になって「頼れる人」に面倒を掛けないために今から準備できそうなことを、高齢者の情報通信機器の利用のデータをもとに、子なし夫婦が老後に向けて今から意識して取り組むことを整理しました。
- スマホを所有している高齢者は利用もしている
- 海外と比べて日本の高齢者のスマホの利用率は低い
- 海外の高齢者は連絡手段以外にもスマホを利用
頼れる存在である子どもを持たない子なし夫婦の老後の介護はどうなるのでしょう?今から準備しておいた方が良いことは…
子なし夫婦が老後に面倒な存在にならないために
祖父母や両親の介護や看護の経験から、自分たちの老後も現役世代の人たちに一切面倒を掛けずに暮らすということは不可能に近いことは想像がつきます。子なし夫婦歴20年の私たちは老後に対して不安でいっぱいです。
周りの人たちに面倒はなるべく掛けたくはないですし、ましてや甥や姪など「頼れる人」への負担を少しでも軽くしたいものですよね。今のうちから意識して準備しておくことで、そうした申し訳なさを少しでも防げるかもしれません。
高齢者のスマホの所有と利用状況
高齢者のスマホ利用はどの程度なのでしょうか。
2021年に公表された内閣府の高齢者の生活と意識に関する国際比較調査(第9回)」では、60歳以上の高齢者の情報通信機器の所有と利用状況が示されています。
スマホに関しては高齢者の47.6%が所有しており、同程度の44.5%の高齢者が利用しているようです。少し贔屓目に見ると高齢者の約半数がスマホを所有するだけでなく利用もしていると言えるでしょうか。
パソコンに関しては所有している高齢者は41.2%に対して利用しているのは31.1%であり、所有と利用に差があることがわかります。所有と利用の差があるのは「固定電話」「FAX」でも見受けられます。パソコン、固定電話、FAXについては、所有はしているものの「利用している!」と言えるほど頻繁に利用していない高齢者の情報機器の実態が想像できます。
所有と利用の差が小さいスマホに関しては、スマホを「所有していない」高齢者が半数以上存在する一方で、所有している高齢者はしっかりと利用もしているということでしょう。
海外の高齢者のスマホ利用実態
贔屓目に見て日本の高齢者の約半数がスマホを所有し、利用もしている2021年公表のデータが確認できました。個人的には所有も含めスマホを利用している60歳以上の高齢者が多いことに少し安心しました。
ただし海外の高齢者の情報通信機器の利用状況と比較すると、やはり日本のデジタル化が遅れていることを再確認できます。スマホとタブレットとパソコンに関して、日本に比べて海外の高齢者の利用は進んでいます。日本の高齢者のスマホの利用が44.5%に対して、アメリカの高齢者は62.6%、ドイツの高齢者では65.2%です。海外では6割以上の高齢者がスマホを利用しています。
携帯電話の利用に関しては、海外の高齢者が2割程度に対して、日本は4割というのも興味深い結果です。海外の高齢者は携帯電話を卒業して、しっかりとスマホに移行している一方で、日本はまだまだスマホと同程度の高齢者が携帯電話を利用しています。この傾向はe-mailがすっかり普及している状況において、FAXにおいても海外と日本の違いが見られます。
海外に比べて、新しく機能が豊富な情報通信機器に日本の高齢者は即座に馴染めない人種ということなのかもしれません。
高齢者はスマホで何してる?
高齢者だけでなく日本がデジタルツールの利用が遅れているであろうことは予想をしていましたが、それではいったい海外の高齢者はスマホやタブレットやパソコンなどの情報通信機器を用いて、いったいどんなことに利用をしているのでしょうか?
日本も海外も連絡手段として利用している高齢者が8割り程度で共通しています。
日本と海外の高齢者の利用状況で差があるのは「情報収集」「金融取引」「行政手続き」「SNS」です。日本の高齢者は通話またはメールによる連絡手段として情報通信機器を利用しており、情報収集でさえ3割り程度の利用にとどまっています。ネットショッピングや各種行政の手続きをデジタルで行う高齢者は1割り程度です。
海外の高齢者はスマホやパソコンなどの情報通信機器を連絡手段だけでなく生活の幅広い場面で利用しているようです。アメリカの高齢者では、この傾向が高いようです。
アラフィフの私も実感しているところですが、年齢を重ねると老眼がやってきます。若い頃は老眼で大変そうな上司を憐れんでいましたが、老眼がこんなにも不便なものかと嫌になるほど実感するようになりました。老眼の不便さは、きっと海外の高齢者も同様でしょう。
ただ海外の高齢者は、少なくとも日本の高齢者に比べると様々なことにデジタルで利用しています。スマホより画面が大きく、文字も大きく表示できるタブレットの利用率が日本よりも多いのは、こうした背景もあるのかもしれません。
2021年にデジタル庁が設置され、日本の行政サービスのデジタル化が遅れていることは日本の高齢者のデジタルツールを利用の低さの言い訳にできるかもしれませんが、「老眼」を理由にすることはできないでしょう。
まとめ
我が子ではない現役世代の「頼れる人」にどうしても面倒を掛けてしまう子なし夫婦です。老後の申し訳なさを少しでも防ぐために、今のうちからデジタルツールに慣れておいた方が良さそうです。きっと、どんどん新しい機能やサービスが登場することでしょう。そうした新しい情報通信の手段を利用できる能力は今から意識して取り組んでおく必要があるのでしょう。
ネットショッピングなら自宅まで商品を届けてくれるので、まさに老後にはありがたいサービスです。銀行や行政の手続きも同様です。高齢者こそ利用すべきなのがデジタルサービスなのかもしれません。
「とはいえ」ですよね。わかります。
これまで実店舗で店員さんとの会話のやり取りを通してモノを買ってきた者にとって、ネットショッピングもまだまだ心配なことが多いですよね。私自身も圧倒的に実店舗で購入する機会の方が多いです。
デジタルサービスを「利用したくない理由」はいくらでも思いつくものです。行政サービスもまだまだ不十分ですよね、なにより老眼も不便ですよね。でも、アメリカやドイツの高齢者は日本よりも利用していましたよね。それに日本の高齢者の約半数がスマホを利用しています。
様々な環境の要因はあるにせよ、意識の部分も大きいのだろうと思います。まずはデジタルサービスを意識的に利用していくことを今から始めようと感じました。
参考文献
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