この記事は、大谷翔平選手の出身地への「空想たび」についてまとめています。
こんな人にオススメ
- 大谷翔平選手が大好きな人
- 岩手県奥羽市に思い入れのある人
- 忙しくて週末旅行に出掛けられない人
さて、今週末はどこに旅に出掛けようかと考えていると、メジャーリーグで大活躍の大谷翔平選手が話題となっています。そこで、大谷翔平選手の出身地、岩手県奥州市へ『空想たび』に出掛けることに。
なお、これは『空想たび』であり、登場人物、天候、混雑状況など、すべてボクの中の空想です。
今回の『空想たび』のテーマ【岩手県奥州市】
大活躍の大谷翔平選手の出身地で二刀流のルーツに想いを馳せる旅
【空想 9月15日土曜日】
11:36 AM 東京駅
このところ、妻も仕事が忙しいようなので、出発は少しゆっくりめにしておこう。
三連休の初日とあって、東京駅はボクたちと同じようにどこかへ旅に出るたくさんの人たちで賑わっている。21番線のホームに入線してきた11:36分発のやまびこ49号に乗り込み、窓際に妻が座る。三連休の数日前に思いついた旅なのに、二人並びの指定席があっさりと手配できちゃうのも『空想たび』ならではなのだ。
水沢江刺駅まで2時間48分の車窓の旅が始まる。
あいにく東京駅を出発する時は曇り空だったが、今年の猛暑が懐かしいくらい過ごしやすい気温に恵まれた。まさに週末旅行には良い季節だ。
上野駅、大宮駅を過ぎた頃には、車内の席はすべて埋まってしまうだろう。ボク達と同じように旅好きが多いことが嬉しいねと妻と話しながら、買ってきたお弁当を広げる。まずは缶ビールで旅のはじまりを乾杯したい。
宇都宮駅、福島駅、仙台駅と過ぎ、妻は日頃の疲れのせいか、途中でなんども、うとうととしながら、すっかり眠ってしまっている。
ボクは妻越しに流れる車窓を楽しんでいるのだろう。
14:24 水沢江刺駅
ボクたちを乗せた東北新幹線やまびこ49号は水沢江刺駅に定刻通りに到着する。
ロータリーには数台のタクシーが並ぶ水沢江刺駅の駅舎前で、ボクは両手を挙げて叫びたくなるかもしれない。ここがメジャーリーグ・ベースボールで活躍する大谷翔平選手の出身地、岩手県奥州市だ!と。
大きな建物は見えず、広々としたきれいな青空が視界の大半を覆う。
東京の曇り空を思い出し、遠くまで来たものだと実感するだろう。
今後の予定を考えながら、駅に掲げられた大きな『奥州市観光案内図』を眺めているボクに、きっと妻はこう言うだろう。
「この駅に大谷選手は降りたことがあるのかな?」
「それはわからないけど、少なくとも奥州市のこの同じ空気を吸っていたことは間違いないだろうね」
大谷翔平選手の活躍ぶりなんかを話しながら、お願いしておいた宿の送迎バスを見つける。チェックインが15時からなので、同じ宿に泊まる他のお客さんと一緒にバスに乗り込む。ボクたちの前に座った家族に2才くらいの赤ちゃんがいて、かわいい眼差しで不思議そうにずっとボクの顔を見つめている。そんな赤ちゃんとボクの様子を見て、妻が横でクスクスと笑っている。
水沢江刺駅から今日の宿「珠玉の湯 薬師堂温泉」まで約10分。
途中、大きな川を横切る。宿の運転手さんが「これが北上川ですよ」と訛りのある言葉で教えてくれる。
「松尾芭蕉の、五月雨を 集めて早し…」と妻に言いかけたところで、あれは最上川だと気づき、言いかけた言葉を止める。バスの中で、妻だけでなく、周りのお客さんにまで、知ったかぶりの勘違い野郎の恥ずかしさを晒すところだったと動揺するボク。
むしろ妻がスマホを見ながら「北上川は日本で4番目の規模なんだって」と教えてくれる。動揺が尾をひいて、ボクは「へぇ〜」とだけ返すのが精一杯だろう。
15:00 薬師堂温泉
やはり三連休の初日とあって、何台かの宿泊客の車がすでに停められている駐車場を抜ける。ネットで予約する時に見た宿の写真と同じ、立派な屋根の正面玄関前で送迎バスを降りる。
ロビーのソファーに妻を待たせ、フロントでチェックインを済ませる。
満室の三連休にちょうど1室だけキャンセルが出た瞬間、ボクらの予約が入ったことをフロントの人から知らされる。こういうラッキーも『空想たび』ならではなのだ。
窓際に応接セットが置かれた8畳の和室に通される。
温泉宿にやって来たよろこびが湧いてくる。
妻がいれてくれた日本茶もそこそこに、浴衣に着替えて温泉に向かう。
温泉の入口で、オカメのお面が飾られた赤色ののれんを妻がくぐる。ボクは紫色ののれんに掛けられたひょっとこのお面を見て、一人でひょっとこの口の真似をしてみる。
露天風呂には、ちらほらと先にお湯を楽しむ宿泊客。
ナトリウム塩化物泉で疲労回復と冷え性に効能があるという。
妻の日頃の疲れも癒やしてくれるだろうし、男にしては珍しいボクの冷え性にも効果があればいい。
「珠玉の湯」と書かれた湯元からあふれ出る湯は、薬師如来の御利益もあるらしい。ありがたや、ありがたやと、肩まで湯に浸かり、さらに顎までどっぷりと湯に潜らせる。
いつものことだが、早めにチェックインをしても、ゆったりとした時間を過ごしているとあっという間に夕食の時間になる。
並べられた料理を前に、妻がよろこぶ、もちろんボクもビールを片手によろこぶ。
これだけの品数を準備するのは、神業だと家事を少し手伝うようになって、ボクも少しだけわかるようになっている。妻はなおさらだろう。
「大谷翔平選手の出身地、岩手県、奥州市に乾杯!」
温泉と料理で日頃の疲れを癒やし、畳に敷かれた布団に横になると気づかないうちに眠りにおちていく。
【空想 9月16日日曜日】
10:30 AM 水沢江刺駅
宿での朝食を済ませ、送迎バスで再び水沢江刺駅に送ってもらう。
東京よりも少し涼しく、昨日と同じように今日の奥州市の天気予報も曇りのち晴れ。
水沢江刺駅からも車で30分ほどのところに観光スポットとして有名な中尊寺の金色堂がある。ただし、中尊寺の金色堂があるのは奥州市ではなく、同じ岩手県でも西磐井郡という場所なので、今回は見送ることにしよう。
あくまで今回の旅の行き先は、メジャーリーグで活躍する大谷選手の出身地、岩手県奥州市なので、奥州市の観光スポットをレンタカーを借りて巡ることにしよう。
こういう妙なところにきっちりとしたボクのことを、また妻は笑うだろう。
11:15 AM 旧岩谷堂共立病院
水沢江刺駅からレンタカーで、東北新幹線の西側を並行するように北へ約10分ほど走ると「旧岩谷堂共立病院」という名所があるらしい。
明治8年に地元の大工さんによって建てられた赤と白のモダンな楼閣様式の建物。
楼閣様式とは、京都の金閣寺などのように重層の建物のことのようである。
岩手県では初の総合病院として開院し、西洋医学とともに漢方医師の再教育の医学所の役割を果たしたようである。
どこか和の要素も感じさせる西洋的な建物を前に二人で記念撮影。
誰かに頼むのも良いけれど、できれば三脚を置いて撮りたい。
「ここは西洋医学と漢方医の両方を担っていたんだね」
とボクが妻に言うと。
「まさに大谷翔平選手と同じ、『二刀流』だったってわけね」
と妻が、相変わらず、うまいこと言う。
大谷翔平選手がこれほど話題になる大活躍をしていなければ、私たちが岩手県奥州市を目指して『空想たび』をすることもなかったかもしれない。
そして、もしかしたら大谷翔平選手が幼少の頃、この「旧岩谷堂共立病院」を訪れていて、無意識のうちに『二刀流』を意識したとしたら?という想像をするだけで、また旅は楽しくなる。
大谷翔平選手の『二刀流』のルーツに想いを馳せる今回の『空想たび』が仕上がってきた。
15:10 水沢江刺駅
旧岩谷堂共立病院のあと、レンタカーで 30分ほど足を伸ばし、世界遺産登録候補地の白鳥館遺跡に訪れ、改めて北上川の雄大さを感じる。平安時代の豪族が居城としていたこの白鳥館(しらとりたて)遺跡は、北上川に半島状に突き出た丘陵に建つという。
岩手県奥州市には他にも遺跡の観光スポットが数多くあるようだ。ぜひ、また機会があれば訪れたいねと助手席の妻と話しながら、再び、水沢江刺駅へ15時過ぎに戻ってくる。レンタカーの受付の人が「楽しみましたか?」と訛りのある言葉で聞いてくれたので、妻とボクは「お蔭様で楽しみました」と少し訛りを真似て言ってみる。受付の人も笑ってくれる。こういう地元の人との些細な会話も旅の楽しみのひとつなのだ。
2番線に15:38発のやまびこ52号が定刻通り入線してくる。
行きの新幹線では妻が窓側に座ったので、帰りはボクが窓側に座る。
水沢江刺駅を出て15分ほど走り、くりこま高原駅を出る頃には、ボクはこの週末旅行を思い出しながら眠ってしまうだろう。きっと上野駅を出て、妻が起こしてくれるまでぐっすりと眠る。
眠っていただけなのに、すっかりお腹が空いてきたボクは、お土産で買った奥州市産の青菜の漬物「芭蕉菜漬け」を思い出し、家に着いたらお茶漬けにしよう!と妻に提案する。
妻も「それがいい!」と二つ返事で言うだろう。
独特の風味と辛味のある青菜を漬けたという奥州市の名産「芭蕉菜漬け」
北上川を横切る送迎バスで「五月雨を 集めて早し…」の続きを言わなくてよかったとつくづくボクは思い返していることだろう。
空想の旅程
空想の旅程 | |
土曜日 | 東京駅11:36>>JRやまびこ49号>>14:24水沢江刺駅 |
水沢江刺駅14:45>>送迎バス>>15:00薬師堂温泉 | |
日曜日 | 薬師堂温泉10:15>>送迎バス>>10:30水沢江刺駅 |
レンタカーで観光 旧岩谷堂病院、白鳥館遺跡 | |
水沢江刺駅15:38>>JRやまびこ52号>>18:24東京駅 |
記事番号:大谷翔平/出身地/H-S/L
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