そう言えば鉄道路線の廃止をよく耳にするよね
2000年に鉄道事業者の廃止が許可制から届出制に変更したらしいよ
こんな人にオススメ
- 鉄道ローカル線の旅が好きな人
- 志布志駅からJR日南線に乗車する人
- 鉄道路線の廃止が残念に感じる人
このブログ記事にたどり着いて頂きありがとうございます。「途次大志の備忘録」の執筆者で電車からの眺めが好きな途次大志(toji-taishi)です。
鉄道路線の末端、終着駅ってなぜか魅力的に感じませんか。九州のJR日南線の南端の志布志駅から北上し宮崎駅までローカル線の旅をしました。私のような旅行者にとって海と山の景色を楽しめるJR日南線はいつまでも存続して欲しい存在です。
志布志駅から宮崎駅までのJR日南線乗車
ローカル線の旅がテレビなどでも取り上げられるようになってきました。なかなか鉄道路線の終着駅を訪れる機会はありませんが、大阪港からフェリーで志布志港に到着しJR日南線の南の終着駅から乗車することができました。志布志駅から油津駅で乗り換えて宮崎駅を目指します。
志布志駅の時刻表
普段、何気なく鉄道を利用していると駅の時刻表には「上り」と「下り」があるものだという思い込みがありますが、志布志駅はJR日南線の終着駅なので「上り」しかありません。考えてみれば当たり前のことなのですが終着駅だけが持つ特別感のようなものを改めて感じます。志布志駅を発車する電車はわずか1日8本(2019年5月現在)で、駅舎には観光案内の人がいるものの駅員さんは常駐せず、乗車券も乗車後に車内で購入することになります。駅舎にはツバメが巣を作り、ローカル線の旅の雰囲気を盛り上げてくれていました。
JR日南線に乗車
低気圧の影響でJR日南線の運行が遅延し、定刻の朝9:30から15分ほど遅れて志布志駅を出発しました。プライベートの旅行ではやはり4人掛けのボックス席が旅情感を高めてくれます。JR日南線の車窓からは時に山に囲まれ、時には右手に海を眺めながら進みます。ゴトゴトと電車の音だけが車内に響く「これぞローカル線の旅」という楽しさに包まれます。
油津駅で乗り換え
志布志駅を出発する電車8本のうち3本がこの油津駅行きで、宮崎方面に行くにはこの油津駅で乗り換えることになります。志布志駅から1時間10分ほどで油津駅に停車し向かい側のホームに停車している宮崎駅行きの普通電車に乗り換えました。志布志駅から直通で宮崎方面に行く電車もありますが、旅行者としてはこうした乗り換えの時間にその土地の空気を吸えるのも楽しみのひとつです。
宮崎駅前のクスノキ並木
油津駅を出発し、1時間20分ほどで宮崎駅に到着します。JR日南線の北端である南宮崎駅辺りから次第にのどかな風景の中に住宅が多くなってきました。志布志駅を出てから2時間半ほどのローカル線の旅を終えるとちょうどお昼どきになったので宮崎名物へと向かいました。宮崎駅の西側の気持ちの良いクスノキ並木を通り抜け、チキン南蛮が名物の「おぐら」さんです。テーブルに持ってこられた時は「食べきれるかな?」と心配になるほどでしたが美味しく全部いただきました。
志布志駅から南宮崎駅を結ぶJR日南線
私たちがローカル線の旅を楽しんだJR日南線は志布志駅と南宮崎駅を結ぶJR九州の路線です。南宮崎駅もJR日南線の終着駅ではありますが、JR日豊線も乗り入れていることもあり、志布志駅で味わえるようなローカル線のイメージとは異なります。志布志駅から宮崎駅まで車窓を楽しませてくれたJR日南線について少し調べてみました。
JR日南線は地方交通線
JRの鉄道には新幹線と在来線があるのはよく知られています。在来線には幹線と地方交通線があるのをご存知でしょうか。JR日南線は在来線の中でも幹線ではなく地方交通線です。安易に考えると路線名に「本線」と付くのが幹線だと判断してしまいそうですが、必ずしもそうではないようです。たとえば筑豊本線は幹線でなく地方交通線などが一例です。
JR日南線の平均通過人員
鉄道会社は国土交通省に事業報告をしていますが、その中に「平均通過人員」という項目があります。「平均通過人員」の計算式などの詳しい説明はここではせずに、ある路線の1日当たり何人を輸送したか、つまり「利用者数」という理解に留めておきましょう。その利用者数である「平均通過人員」がJR日南線の場合、1987年と2017年を比べると46%も減少しているという報告があります。さらにJR日南線の南端の志布志駅から油津駅の区間に関して言えば69%も減少しています。利用者の減少は今後の運行本数の減少、最悪の場合は廃止ということも免れないかもしれません。
JR日南線の存続を願う
私たち旅行者が志布志駅から宮崎駅までのローカル線を楽しめたのはJR日南線が運行してくれていたお蔭です。JR日南線からの車窓からの眺めはとても貴重でありがたい体験でした。こうした旅行者にとっても非常に大切なJR日南線を宮崎県としても存続させるべく活動されているようです。2108年6月に「みやざき地域鉄道応援団」を設置し、路線周辺の活性化と利用促進のPRやイベントを開催しています。
みやざき地域鉄道応援団がまとめた「効果的な利用促進の在り方に関する提言」によると、2000年(平成12年)に鉄道事業の廃止が以前の許可制から届出制に変更されたことを機に鉄道路線の廃止が増えているようです。廃止になった鉄道路線の数は2018年までに40路線(879.2km)にも及ぶとのことです。
今回、私たちが志布志駅からJR日南線を利用する機会になった大阪港と志布志港を結ぶフェリーさんふらわあも様々な魅力的なプランを提供しています。地元で暮らしていない旅行者の身勝手な意見であることは十分に承知しながらも、可能な限りJR日南線が存続し、より多くの旅行者にあの景色と空気と旅情感を味わわせ続けてくれることを願わずにはいられません。
まとめ
JR日南線の南端の終着駅・志布志駅から車窓を楽しみながらの宮崎駅へと北上しました。鉄道事業の廃止が許可制から届出制になり路線の廃止が増えていることは旅行者としては残念なことです。今回は大阪港からフェリーさんふらわあの「徒歩舟遊プラン」を利用しJR日南線を北上しましたが、逆のルートで大阪港から別府港に入りJR日南線を南下するルートも考えられます。旅行者にとって貴重な移動手段の存続のためにも、また旅に出たいものです。
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。これからも良質な情報をお届けできるよう精進いたします。今後とも「途次大志の備忘録」をお引き立ての程、よろしくお願い致します。 途次大志